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2007年5月

トゥモロー・ワールド

★★★★★

凄いSF観てしまった…というのが最初の感想でした。
2027年のイギリス。何故か18年前から人類には子供が生まれなくなり、人々は希望を失って世界中が荒廃していた…。という舞台装置からしてもろ好みなんですが、リアルな未来世界の描写がなにしろ凄いのですよ。だって、たった“20年後の未来”ですよ! 空飛ぶクルマもブラスターも出てきませんが、近未来描写の秀逸さにおいてはもう、ブレードランナーを超えてる。

「人類が種として絶滅の危機にさらされたら?」という壮大なシミュレーション、それをあくまでたった一人の男の視点で描ききってしまった脚本の凄さ。CGを駆使した驚異の長廻し(風)撮影から生じる臨場感&緊張感。ヒトが「生まれる」ということがどれほどの奇跡か。そしてクライマックスの感動的な静寂…。

観終わってあなたを幸せにしてくれるような類の映画ではありませんが、なぜか心には少しだけ希望が残っているはずです。

プロジェクト始動からサイトの設計・構築まで Webディレクション標準ガイド

★★★★☆

大まかに「Webディレクターって、どんな仕事するの?」ということが理解できます。
大型本ですし、価格も張るので購入には躊躇しましたが、私にはかなり役立ちました。各章ごとにポイントがピックアップされて箇条書きにされており、まずはこれをざっと眺めるだけでもあらかた理解できるのではないでしょうか。図版もきれいで豊富に挿入されており、概念の図式化も巧みです。
企画の立ち上がりからサイトの公開まで、プロジェクトの流れを追いながら各工程で必要となる知識、注意しなければならないことなどはほぼ網羅してくれていると思います。さらに詳しい知識は専門書を読めば済むことなので、概要を理解するための手引きとして活用させてもらいました。

現在Web制作の現場で働いている方にとって、基礎知識として押さえておきたい内容を過不足なく網羅した良書です。

(WDG作成プロジェクト著/ワークスコーポレーション)

祝!∀ガンダムMG化

今月発売の模型誌で報じられていますし、ネットでは既にいろいろな記事が出ていますが、大好きな「∀ガンダム」がバンダイのマスターグレード・シリーズ100体目として模型化されることになりました。拍手。
工業デザインの視点でデザインされたアニメーション用のロボット(←あえてこう書きますが)という意味で、もっともっと評価される価値があるデザインだと思っていたので。

確か、作品そのものは「ガンダム20周年記念作品」か何かであったはず。テレビアニメを一旦卒業していた当時、何かで第一報を読んだときは「ふ~ん。まだガンダムやらされるんだ富野さん…お気の毒」と思ったぐらいでした。が、主役ガンダムのデザインをかのシド・“ブレードランナー”・ミード氏がやると聞いて俄然興味がわいたものでした。若かりし頃は工業デザイナーを目指していたので、氏のフューチャーデザインには啓発されるものが多かったのです。
アニメファンからは評判の悪かったヒゲガンダムですが、今見ても凄いデザインだと思います。「ガンダム」の記号を解体し、ここまで別のシルエットに再構築してみせた手腕は流石です。

まだ数点の開発用スケッチが公開されている段階ですが、現在のバンダイの技術と開発姿勢であれば、きっと素晴らしいものができるはず。そう信じて設計チームの皆さんを応援します。頑張って、良いものを作ってくださいませ。発売を心待ちにしています。

フリクリ

★★★★☆

リリースが始まった時から気にはなっていたんですが、いつものようにものぐさ癖が出て今まで未見。なんか当時サブカル色を前面に押し出した広告が鼻についた覚えはあります。「この作品、オシャレですよ」みたいな。そういうの、どうも恥ずかしくて…。今回DVD-BOXが発売されたのを機に、気になってたことだし、価格もそれなりだし、購入&視聴、と。
…結果、「しまった! なんでリアルタイムで観とかなかったんだろ俺」と後悔することしきり。面白いです、この作品。サイバーパンクSF・少年の成長物語・萌え・パロディ、その他もろもろのゴッタ煮。

確かにサブカルっぽいビジュアル要素はイッパイありました。小物のディティールへのこだわりとかね、ガイナックスらしいです。でもそれはあくまでスパイス。私は「コドモが思春期を迎える頃の物語」と解釈しました。最初はぶっ飛んだ世界観に口あんぐりでしたが、上記のように解釈すると、するっと飲み込めちゃったんですね。しかもかなり上手な仕事であったと思えます。時速100kmでバイクを飛ばしながら詩を呟いているような感覚。

主人公ナンダバ・ナオ太の造形が繊細で、とても今時のコドモっぽく見えます。そう、小学六年生の頃って、ナオ太くらい世の中や周囲の大人たちのことが見えていたし、フィジカルな意味で具体的ではないけれど、異性への興味はあったと思うんですよ。大人のだらしなさとか嘘が見えちゃうから批判的にはなるんだけれど、そのだらしない大人に依存しなくちゃ生きられない子供な自分の姿も見えている訳で。多分人生で初めて“鬱屈”という気分を知る頃だと思うんですよ。その気分の演出がとても上手でしたね。くどくどしないし。ナオ太が煮詰まってると、すかさずハル子がギターでぶっ飛ばしちゃうから(笑)。でも私はサブキャラクターのサメジマ・マミ美にとても惹かれました。のほほんとした喋り方の一見バカっぽい女子高生が、実はどうしようもない孤独を抱えてたりしてね。マミ美のやりきれないダークサイドが、すごく魅力的。アブナいのだろうか?私ってば。

高密度&猛スピードで展開するストーリーを追いかけるだけでも、十分に楽しい良作ですよ。

パプリカ


★★★☆☆


秘かに日本一の監督と信じている今敏カントクの最新作。劇場鑑賞券を頂いていたのですが、ちょうど公開時に忙しかった&もともと出かけるのが嫌いな性格で、ついに劇場では未見。この度ようやくDVDにて鑑賞いたしました。先ほど観終わったところですが、…正直ちょっと首をひねっております。

原作者である筒井康隆さんの小説は、恥ずかしながらひとつも読んだことがありません。食わず嫌い…という訳でもないのですが、私の周りにいる筒井康隆ファンって、どうもこう、信者というか、なんでもマンセーな感想しか語ってくれないので、かえってちょっと引いちゃったっていうか…。閑話休題。要するに、原作を知らず、「映画」としてだけの感想になりますので悪しからずご了承ください。


「あいかわらず上手いなぁ…」と思いながら観ました。場面の構成やシーンの組み立てなど、演出技術は冴え渡ってます。冒頭の「It's the greatest show time!!」という宣言から後は、今監督お得意の虚実入り交じった世界が展開していく訳です。(演出論的な)人物もよく描けているし、アニメーションの技術もすごい。トレーラーで繰り返し観ていた「夢の行進」なんてそりゃもうすごいですよ。終盤のパプリカのあのシーンなんて、固唾を呑むほどエロいし! …ですが、どうも見終わった後カタルシスがないんですよ。なぜなんだろう…? 前作「東京ゴッドファーザーズ」の奇跡的なほど素晴らしいクライマックスを思い出すと、やはり首をひねってしまうのです、私は。こういう「絵としての面白さ優先」の作品は、劇場で観ないと真価が分からないのかなぁ。

どうも失礼ながら、今監督のスタイルに原作の題材が合ってなかったのではないかという気がします。いや、身もフタもない意見だとは思いますが、どうもそんな気がするのです。とても論理的な傾向の強い人が、無理矢理感覚的な映画を撮ろうとしたような…。「ここをこう繋ぐと破綻するよな、じゃあやってみよう」的な感じです。

…我ながらアタマの悪い感想ですね。すみません。ということで、大好きな監督さんなんですが、本作については星三つです。


蛇足ながら、DVDご購入をお考えでしたら、多少お高いですけど「デラックス・ボックス」をお薦めします。752ページもあるストーリーボード・ブックが付いてますから。今監督のストーリーボードは非常に内容が濃く(…というか、解像度が高く)、演出意図を探る上でも大変良い副読本になるでしょう。

自分への戒め

無事投稿を続けてこられたので、とりあえず三日坊主にはならずに済んだ…と一安心。
これからも続けていくため、遅まきながら自分のために自分へのルールを書いておきます。

愚痴や他人の悪口を書き込まない。良いと思ったことを積極的に取り上げ、ささやかでも支援の気持ちを表明する。何がどう良かったのか、なるべく具体的に記事にする。どうしても批判や反対意見を書き込む時は、必ず対案を考えるようにする。

インターネットという、ある意味公共の場に自分の意見を表明するのですから、これは最低限のマナーとして守ろうと決めました。

かもめ食堂

★★★☆☆
全編に漂うのんびりしたムードが素敵。時折映るフィンランドの情景が美しく、出てくる家具や食器もさすが北欧、可愛らしいデザインのものばかり。
登場人物はみな過去にいわくありげですが、それぞれきちんと背筋を伸ばして生きている様子。肩の力は抜けているけれど、決してだらけているわけではなく、人生を誠実に生きている感じ。
ある意味ファンタジーなんですが、「あぁ、こんな感じの生き方だったら、私にもできるかもしれない。こう生きられたらきっと幸せだろうな」…って思わせてくれるような映画でした。

枕投げ

インターネットに接続して、様々なWEBサイトやブログを見てまわっていると、そこはまさに情報の大海であると実感させられることが多い。Wikipediaなどはその際たるもので、もう数年前になると思いますが、はじめて訪れたときは感動したものです。「枕投げ」についての記事を読んだときなど、執筆者のユーモアと情熱に感服したものでした。とても興味深い考察が書かれているので、ぜひご一読あれ。

共同作業でネット上に百科事典を作っていこうという発想の素晴らしさは言うに及ばず、それに「乗っかって」無償で貢献する人々の多さを想像すると、なにかしら楽天的な気分になります。

「フォース2.0」--スター・ウォーズ公式サイト、映像マッシュアップを可能に

(以下CNET Japanの記事より引用)

“…スター・ウォーズの第1作目が映画館で上映されてから30年目となる米国時間5月25日、同作品の公式ウェブサイト「StarWars.com」がデザインを一新する。新サイトの特徴の1つは、同作のファンがシリーズ全6作の映像と音楽をリミックスしたり、自作映像と組み合わせたりすることのできる機能だ。そうして作ったクリップは、同サイト上でほかのファンと共有するばかりでなく、自分のブログやソーシャルネットワーキングサイトのプロフィールに埋め込むことも可能だという。…”

…だそうです。う~ん、すごい。ガチガチの著作権保護主義者が読んだら卒倒しそうな記事ですね。
でも、これでルーカスがスター・ウォーズの新作を撮らなくても、あと数年はファンが勝手に作品の宣伝をし続けてくれるわけだ。ファンにとってみても、自分のブログに好きな作品の映像や音楽を貼り付けることができる(訴えられる心配なしに!)のだから、これは双方がハッピーになれる試みといえるんじゃないでしょうか。どんな“作品”がマッシュアップされてくるのか、興味深いですね。

秘密 トップシークレット 1

★★★☆☆
まずは“死者の記憶を見ることができたら…?”という発想が素晴らしい。具体的には「損傷のない脳をスキャナーにかけ、過去の主観映像を信号として取り出す」ということらしい。「映像は見ることができても音は再現できない」とか、わざわざ設定に縛りをかけてあるところもそそられますね。サイレント映画のようなその“画期的なんだけれども完璧ではない映像”から、様々なドラマが紡がれるんですね。あくまで「記憶としての映像」なので、「客観的事実」ではないところもミソ。

SFオタとしては、(士朗正宗ほどではなくても)もう少し屁理屈をでっち上げて考証面を補強してくれると嬉しかったかな…とも思うのですが、作者の描きたかったのは無論そんなことではなくて。殺人事件の被害者の脳を扱うので、当然その記憶として出てくる”絵”はかなりグロテスクです。ストーリーもすっきり終わることなく、読み終わった後にはやり切れない感情が残ります。決して万人向けな作品ではないけれども、私は気がつくと読み返していたりします。

プロローグともいうべき「秘密 トップシークレット 1999」と「秘密 トップシークレット 2001」の2話を収録。個人的には「~1999」のエピソードの方が好きです。

(清水玲子:著/白泉社)

ギャラクシー★クエスト

★★★★★
何十年も前に放映打ち切りとなったものの、今なお熱狂的なファンを持つテレビ番組「ギャラクシー★クエスト」。落ちぶれた元出演者達は、傷ついたプライドとともに全米各地のオタク・イベントに出演しては糊口をしのぐ毎日。
ところがある日、かつて地球で放映されていた電波をキャッチしたエイリアンが、「ドラマ」を「ドキュメンタリー」、「登場人物」を「本物のヒーロー」と勘違いして助けを求めてきたのです。なぜこのエイリアンたちが勘違いしてしまったかというと、彼らには「嘘」という概念がなかったから…!

自らを「オタクである」と認識している方にとってはマストといえる作品。もちろん、まっとうな方々にも「ぜひ」とお勧めしできる、たいへん良質なエンターテインメントです。出てくるキャラクターがみなチャーミングでね、ずっと笑いながら見ていられるんですけど、ちゃんとホロリとさせてくれるポイントもあり、なにしろまぁ良くできてます。
B級映画ですよ~ってフリを装いながら、実はA級の役者と、しっかり練られた脚本。
観終わった後、「何年かに一度でも、こういう作品に出会ってしまうから映画ファンはやめられないんだよなぁ…」としみじみ思いました。

蛇足ですが、2000年のヒューゴー賞受賞作ですよ。本当、だまされたと思って、ぜひ。

はじめまして

以前は自分できちんとタグ打って、HTMLでサイトを作ってました。でも続かなかったんですね、面倒で。「やるんだったらきちんとやりたい」「でも面倒だからやらない」で、どうどう巡りしていたわけです。

そうかといって、SNSはどうもネットっぽくないし…。あの閉じた感じがどうにも、ね。ただ、ここ数年で自分の「文章力」が衰えているなぁという実感が確かにあって、不定期であろうと「何かを書き記す」という行為は自分にとって必要であろうと。まぁ一種の脳トレですね。

でもいざ始めようとすると『何から書き始めようか?』と悩んでしまい、またグズグズしていたんですね。ただ、このままずっと“始める前に挫折”状態でいるのは気持ち悪いしなぁ…という葛藤もあり、スパムとか炎上とか聞くと今でもおっかない気分はあるんですけど、思い切ってまずは始めてみる事にしました。

いささか見切り発車気味ではありますが、簡単に趣味である映画の感想などを書き連ねていこうと思っています。その時々の自分のあり様が記録されて残る訳ですから、あまり気張らず、できるだけ長く続けられるようにしていくつもりです。

さて、どのくらい続くのかしら…。

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